KLab社長 真田哲弥のブログ

KLab株式会社(クラブ)社長 真田哲弥が経営者対談を行い、ビジネスアイデアをお伝えするブログです。

AIでデータベースを解析し「商談をつくる」というおもしろい営業代行プラットフォームを展開しているWEIC代表取締役社長CEOの内山さんとの対談。後編は、その“最終形”を考えた。狙い目は、BtoCのスタートアップ。意外な結論になったワケを話そう。

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◆SEOがマーケティングの意識を変えた

 

真田

御社の「SALES BASE」が伸びている背景って何ですか?

 

内山

今までSEOでけっこうリードがとれていたのが、Googleのロジック変更などにより、以前に比べて取りにくくなっているということがあります。SEOにかけていた予算の一部を当社に回していただく、ということから利用企業が増え始めました。

 

真田

なるほど。SEOが始まって以来、KPIの数値化が一般企業でもすごく進みました。昔はKPIという言葉もなかったし、その数値化、“見える化”という考えかたはあまり有りませんでした。でも今はCPA(Cost per Acquisition)の金額を具体的に数値化して、これ以上ならやるし、これ以下ならやらないという意識をもった経営者やマーケティング責任者が増えましたよね。社内 のマーケ部でやっているとリード1件取るのにいくらかかっているかというのが曖昧なりがちでだけど、御社に頼むと、1件あたり何円かかっているのかとても明確ですね。SEOとどちらがコスト効率が良いのか比較もできる。

そう意味で「SALES BASE」は時流に乗ったビジネスですよね。見える化やKPIの数値化の周辺はビジネスチャンスがまだまだありますね。

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 ◆ビッグデータを握ったものがビジネスを握る

 

真田

WEICさんのビジネスモデルは、各社が自前でやっていたマーケティング活動の内、その前半部分だけを横断的に切り出してしてアウトソースしたようなものですよね。マーケティング活動を謂わば水平統合し、マーケティング活用によるデータがWEICさん1ヶ所に集積することによって、データの価値が高まっていくということだと思います。

まさに、「ビッグデータを握ったものがビジネスを握る」という「ビッグデータの法則」に則ってますね。

これからの時代、AIのエンジン自体はクラウド化されて差別化要素になりづらくなっていくから、ビッグデータを誰が押さえるかが一つの勝負になってくるでしょうね。

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オープンデータに宝の山が隠れてる かも

真田

WEICさんは自社が受注しているマーケティング活動によって集まったデータを活用しているようですが、データの成長速度をより加速させる方法はご存知ですか?

それは、オープンなインターネット上をクロールしてデータを収集して、自社のクローズドなデータベースにマッチングさせデータを育てていくことです。特許や商標の出願など、ネット上には様々なデータベースが公開されてますし、2ちゃんねるやSNSにも情報が埋もれている。

と言っても、日本は世界で最も情報公開に神経質で、やたらとネット上に情報を公開しない国なので、こうした方法でデータベースの精度を上げるのは限界がある。逆にこうした閉鎖性がビジネスチャンスになるかもしれないよね。

 

タイムズ24さんなどの駐車場の会社は、街を人間が歩いて空き地を発見したら法務局に行って土地の謄本を上げ、それをデータベース化してリードにしてるよね。このように、日本みたいに情報公開が進んでいない場合、“人間クローラー”が足を使って情報を集め、クロス分析をすればデータベースの価値がすごく上がる。アメリカとは逆の方法で“宝の山”が見つかるかもしれないね。

 

◆製造直販を取り入れ利益率を上げる

 

真田

WEICさんのように水平統合型のビジネスって、やってると、どこが美味しいか見えてくる。そこだけを垂直統合に自社で全部やってしまうと、とんでもなく利益率が良くなる

内山社長は、一部の商材は代理店契約をして自社で販売までやっている、とのことでした。

それを、究極まで進めると、自社または子会社で商材・サービスを持ってしまうことになります。ユニクロがやってるSPAモデルに近いですね


技術やノウハウが無い会社でも商品・サービスを作れる方法

 

真田
技術やノウハウがない会社がいきなり商品・サービスをつくることはできません。でも良い方法を思い付きました。

 

それは、B2Cのサービスを出してる会社と提携してB2Bにアレンジして出すことです。

実は、B2Cでは芽が出ないけれど、技術がしっかりあって、組織も開発力もあって、良いものをつくっている会社が最近たくさんあるんです。

 

新しいスタートアップで急成長している会社って、ほとんどB2C 。だから、最近の若い人はB2Cをやりたがる傾向にあります。でも、B2Cはハイリスクハイリターン。良い製品を作ってもマーケティングが上手く行かなければ売れない。調達資金が尽きる前にJカーブ死の谷を越せなければ、そこでジ エンド

 

B2Cのスタートアップが資金繰りに詰まって僕のところに相談に来ることがあるけど、そんな時、「ターゲットをB向けに変えてやってみたら」と提案することが多いですね。C向けにしっかり作ってあるとB向けにアレンジするのは簡単。

でも、元々B2Cの会社は、しっかりした開発チームがあって、B向けに製品を転換できたとしても、たいていは売れない。その理由は、ジーパン履いてパーカー着ているから(笑)。一言で言うと文化が違うから、B向けの営業が出来ない。

 

だから、B向けに改造する資金を投資して、WEICさんがB向けに販売するんです。この方法なら製品の出来栄えと営業が両立することができるはずです。                                                                                                                                                                                                                                 

 内山

ありがとうございます。ぜひ、そういう形も検討していきたいです。

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 対談後記 

実はお会いするまで、WEIC社さんは全く知らなかったんだけど、「SALES BASE」はすでに取引先350社に採用されているとのことです。これだけあれば、既にDBは成長していますね。ここから、利益率が向上していくでしょう。そうなると、僕が提案したような色んな次の一手がうてるようになります。とても楽しみです。


==今回の対談相手== 

内山 雄輝(うちやま ゆうき)株式会社WEIC 代表取締役社長

1981年生まれ、2004年株式会社WEIC創業。語学eラーニングサービス、ITエンジニアリングサービスの提供を経て、2014年ITを活かした営業支援サービスの提供を開始。日本の営業シーンに革命を与え、働き方改革にも貢献を目指す。

お問い合わせ先:社長室(有馬・伊藤)

https://weic.co.jp/contact/ TEL:03-4405-7653 FAX:03-5547-9030

<内山さんよりメッセージ >

「SALES BASE」は、AIによるビックデータ解析を通じて受注戦略を構築し、ターゲットを抽出。情報管理とその可視化も行い、当社コンタクトセンターによるインサイドセールスを一気通貫で行うプラットフォームです。ターゲット企業の担当者リードと商談アポイントが届くので商談件数増加と受注率向上が期待できます。WEICはこのサービスの提供を通じて日本の営業活動を変えていきたいと考えています。将来的には全ての売りたいと買いたいが繋がる、そんなサービスに育てていきます。 一緒にやりたい方、ご興味のある方、是非お気軽にお問い合わせください。


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今回の対談相手はWEIC代表取締役社長CEOの内山さん。「成果コミット型インサイドセールスプラットフォーム」という独自ビジネスを展開しているベンチャーの経営者です。
まずはWEIC「SALES BASE」サービス解説動画をご覧ください。




◆根性営業からデータベースマーケティングの時代へ

 

内山

当社は、成果コミット型インサイドセールスプラットフォーム「SALES BASE」を提供。受注につなげる営業を効率化すべく、セールステック企業としてセールステクノロジーを追求しています。

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真田

要するに、B2Bの会社に対して、見込み顧客を抽出して電話などで商談して、イケそうな客リストを作成してクライアントに渡してあげるサービスですね。クライアントは、後は訪問してクロージングするだけ。

 

真田

営業代行より成功報酬モデルの販売代理店の方がリスクはあるがけど利幅・利益率が良いですよね。

いきなり核心ですが、御社の仕組みが本当に売れるなら営業代行よりも販売代理店になって武者自身が販売したほうが儲かるんじゃないんですか?なぜ代行なんでしょうか?

内山

弊社は、弊社自身が企業のデータベース所有し、そこから見込み顧客を抽出し、インサイドセールスを実行しています。

営業の進捗管理のシステムをクラウドサービスとして提供をさせていただいているので、そこにデータが溜まります。このデータに関しては、パーミッションをとって情報分析をやらさせていただいています。

我々、今取引先350社くらい、1600、1700くらいの商材をご支援させてもらっています。そうすると、これが売れて、これは売れない。これは将来的に売れる可能性があるといのがわかって来ます。ある業種、業態で、このターゲット企業に攻めた場合に、アポイント率が何%、受注率が何%というのも当社のデータベースに入っています。

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真田

営業代行をやればやるほどデータベースが成長して精密になっていくと。それなら、営業代行をやるのはデータベースが成長してからのほうがいいね。

  

内山

実は、既に、「これは売れるな」と思った商材は、「僕らが売ります」と言っています。

 

真田

今日「次の一手」として提案しようと思っていた事はこれだったんだけど、既にやってるんだ。すばらしい。

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■B2Bビジネスは3種類しかない。儲かるのはコレ

 

真田

初めからこのビジネスモデルで始めたんですか?

 

内山

実は最初は法人向けの外国語をゲーム感覚で楽しく学べるeラーニングで起業したのですが、正直、売るのにすごく苦労しました。

 

真田

分かります。会社の社長からすると「そんなの従業員が自分自身で金払わないと勉強しねーよ」と思っちゃいますからね。

 

真田

B2Bのビジネスは、ざっくり分けると3種類しかありません。どれをやるかで儲かるか儲からないかが決まります。

①売上を増やすサービス

②コストを下げるサービス

③質を上げるサービス

 

いちばん儲からないのが、②のコストを下げるサービスなんです。コレだけは、やらない方が良いかもね。

たとえば「今のコストを3割下げられます」といったサービスがあるとします。もし節約できる金額が10万なら、そのサービスに支払える対価は最大でも10万円未満、実際には6 ~7万円じゃないですかね。このように上限が決まっているので、コストを下げるサービスってなかなか儲けられないんです。

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 いちばん儲かるのは①の売上を増やすサービス。多くの業種でもっとも予算を使っているのは人件費で、その次は広告宣伝費やマーケティング。だから広告代理店はいつの時代も儲かるし、ネットのビジネスでもアドテクは成長力が強いですね。たとえば売上が100億円あったら、宣伝費に10億円使うことは全然、惜しいと思いません。それを減らすと売上も減るから。不景気になっても宣伝費は減らせないかわりに、真っ先にカットするのは質を担保するためのコストですね。

③質を上げるサービスは、経営の根幹に近いサービスかどうかで成否が分かれますね。

 

御社は、正に①売上を増やすサービス にシフトして大正解ですね。

 

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